みなさま、こんにちは。
つくば住宅工房の橋本です。
新しく建てるのではなく、今ある家を、これからの暮らしに合わせて整えていく。そんなリフォーム・リノベーションの道も、いいもんです。建築家と一緒に、わたしたちができることを考えながら、このブログに日々のことを綴っています。
前回、筋交調査編ということで、サーモカメラを用いた調査を実施していることをお話させて頂きましたが、サーモカメラでは、写せない筋交のもう一つ重要な要素があります。
それは、筋交いと柱の接合部分です。

この接合部が釘打ちなのか、筋交い専用の金物なのかによって、地震に対する強さが変わってきます。
釘打ちの写真

筋交金物の写真

耐震基準の無かった1950年以前の建物の場合、釘で固定されている建物がほとんどです。
そして、1950年に初めて耐震基準が制定されました。(旧耐震基準)
その後も、建築基準法は大震災が起こるたびに改正が繰り返されています。

出所:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合資料より
年表をご覧いただくと分かる通り、2000年の新耐震基準が制定されるまで、筋交の接合方法の義務化は、されておりません。
今まで、調査してきて、2025年現在で築30年の建物の場合でも、金物が使われていない建物がほとんどでした。
だからこそ、ホームインスペクションが重要になります。
そして、壁内などの、人が入れない部分を調査する際に登場するのが、ファイバースコープです。
胃カメラと同じですね。

使用しているファイバースコープ
Ralcam先端可動式ファイバースコープ
出所:RALCAM
サーもカメラで筋交いの位置を把握出来たら、その付近にある、コンセントもしくは、スイッチのプレートを外して、そこにファイバースコープを入れて、内部の様子を確認していきます。
人が入れない部分の調査は、主にファイバースコープを用いて調査いたします。
接合部を確認しつつ、壁内に雨漏れやシロアリなどの異常が起きていないかについても一緒に調査を行います。
壁の中を見る機会は、なかなかないと思いますので、調査の際は、ぜひ、ご覧いただきたいと思います。
調査に使用する機材や調査方法など、お伝えしたいことは、まだまだございますので、今後のブログも楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。
つくば住宅工房株式会社 代表 / 住宅プロデューサー
二級建築士、石綿作業主任者、石綿含有調査者
既存住宅状況調査技術者
福島県出身。幼少期から家づくりに関心を抱き、「劇的ビフォーアフター」などの番組に背中を押されて建築への道を志す。高校では建築科に進学し、設計製図や構造の基礎を学びながら、「建築家としての感性」を育んできた。
新卒時には現場監督として住宅建築に携わり、職人との協働を通じて現場力・統率力を身につける。その後ログハウスメーカーで構造、施工、設計、営業と多岐にわたる経験を積む。営業時代には「お客様との対話」によって、商品や仕様のこだわりが伝わることの大切さを痛感。やがて起業を決意し、つくば住宅工房を設立。
家づくりにおいて何よりも重視するのは、「言葉にならない想い」をすくい取り、家という形に昇華させること。リフォーム・リノベーション・新築を問わず、常に「住み続けるほど好きになる家づくり」をミッションに掲げ、クオリティと誠実性を第一に提案を行っている。
「家は人生をゆたかに包み込む舞台である」という信念を胸に、家そのものを育て、住む人の想いを反映する住まいを共につくっていきたいと願っています。ブログでは、住宅の技術的知識から心の動きを捉える対話まで、幅広くお伝えしていきます。」